受験という大きな節目に、自学=一人学習で挑戦するのはリスクが大きいんじゃないか?と心配する方は多いと思います。
確かにその通りです。
自学は万能ではありません。メリットがあり、デメリットがあります。
個人の資質・性格によっては、リスクの大きな勉強法になるかもしれません。
しかし一方で、難関大学に合格できる可能性が十分にある勉強法でもあることは、僕の受験実績が証明しています。
そこで今日は、自学という勉強法を選択する前に、知っておいて欲しいメリットとデメリットについて、僕の経験をもとに解説します。
勉強方法を選ぶ際や、自学に取り組む際のリスクヘッジの参考にして下さい。
目次
1.自学のメリット
低コスト
勉強に必要なコストを最小限度に抑えられることは、自学の最大のメリットかもしれません。
自学は低コストな勉強方法です。
なぜなら、必要なコストは基本的に教材の購入費用のみだからです。
大学受験を想定した場合、例えば1年間で購入する問題集や参考書は、どんなに多くても10冊を越えることはないでしょう。
大体1冊あたりの価格は2,000円〜3,000円程度ですから、1年間の勉強にかけるコストは大雑把に計算して最大30,000円程度です。
一方、学習塾の場合だと、高校生を対象としたものでは、月額2〜3万円なんてザラです。勿論、塾やコースにもよりますが、大体年間で30〜40万円の費用がかかることになります。
更に難関コースになると、一般的に受講料は高くなりますから、もっと高額なコストが必要になります。
このコストの差は大きいですね。
一人っ子さんなら大丈夫でも、兄弟が多くなればなるほど、それだけ親にかかる経済的負担は大きくなります。
あまり子供が考える話ではないかもしれませんが、コストを抑えた受験勉強を親に提案できるというのは、大学受験の交渉を親と行う際に強いカードになり得ます。
教材代、受験費用、受験の旅行費用、入学金、大学の学費、仕送り金…
受験だけでなく、大学進学はカネがかかるものですからね。
自分のペースでできる
勉強の進行スピードを自分で自由に出来るというのは、地味なように思えて、割と大きいメリットでした。
学校の授業ではクラス全体の進み具合や、先生の想定した時間配分によって授業の進行が決められています。ですから、それに自分自身のペース配分を合わせていかなければいけません。
学習塾も、1対1の指導塾でなければ、基本的には同じでしょう。
僕はこの「他人のペースに合わせて勉強する」という事が決定的に苦手でした。
自分の理解が遅い場合は、内容を理解するために考え込まなければいけないから、全体の進行には全然追いついていけない。進行に合わせることに集中すると、内容が全く頭に入ってきません。
逆に自分の理解が早い場合は、全体が終わるまではただ退屈な時間を待たなければいけない。暇だと思った瞬間に眠気のスイッチが入ってしまえばそこでジエンドになるリスクもあります。
何より、自分の集中力がいちいち中断されてしまい、ペースが乱される。
自学では、勉強の全てを自分のペースで進められます。
受験までの全体のスケジュールを把握し、自分の受験計画を作ってさえしまえば、そこから大きく外れないようにさえすればOKです。
解答方法の理解に時間がかかることがあっても大丈夫。周りに合わせなくていいので、理解できるまで考えこむことも可能です。
疲れたら休憩することだって出来ますし、集中力が上がっていれば一気に取り掛かれるので効率もいいです。
時間が自由に使える
自学は自分一人で行う勉強方法ですから、学校や塾のように、誰かのタイムスケジュールに合わせて動く必要はありません。
何時から勉強を始めるか、休憩を入れるか、入れないか。
いつ・どれだけ勉強に時間を使うか。
この選択肢を選ぶ権利は全て自分にあります。
高校生という限られた時間を有意義に過ごすためには嬉しいメリットだと思います。
自分でやる気持ちが持てる
自学は、基本的には誰も助けてくれません。
勉強するのも遊ぶのも自由ですが、受験の合否の全責任は自分自身が負わなければいけません。
勿論、学習塾に通う場合も受験の責任者は自分自身なことに変わりはありませんが、心のどこかで「先生が教えてくれるから大丈夫」という甘えの心理が働いてしまうでしょう。
僕の経験上、自分がやらなければ終わりという状況は、危機感を生み出します。
危機感があると自分の能力を絞りださざるを得なくなるので、受験勉強にはとても有効だと思います。
突然ですが危機感といえば、幽☆遊☆白書の戸愚呂弟の台詞が有名です。
彼の言葉を借りて表現すると、こんな感じになります。
元受験生のオレの経験からみて
今のお前に足りないものがある。
危機感だ。
お前もしかして、まだ
自分が落ちないとでも思ってるんじゃないかね?
危機感は自分では作るものじゃなく、感じるものなので厄介です。
2.自学のデメリット
ほぼメリットと表裏一体のものです。
ペースを自分で考えなければならない
自学では、勉強の内容、分量、時期などの受験勉強に関することを全て自分で考えて決めなければいけません。
受験というゲームのルールを理解し、戦略と戦術を組み立てられなければ、受験はほぼ確実に失敗します。
塾や家庭教師を使った勉強方法では、他者のサポートが得られる勉強方法では第三者視点の修正を入れることが出来ます。
自学で挑むと決めたなら、計画性に関するリスクがあることを十分に踏まえて、十分に受験合格までの計画を立案しましょう。
時間を自由に使え過ぎてしまう
自学は時間の使い方を自分で決められる一方、自由に使い過ぎてしまうリスクがあります。
はっきり言うと、サボるリスクです。
今だから白状しますが、僕は大学入試センター試験が終わった時点で「息抜きだ」と称して競走馬育成ゲームを買ってしまい、前期試験までに三冠馬を見事育てるというサボりっぷりを発揮してしまいました。
第一志望だった東京工業大学の受験結果に多大な影響を与えたことはいうまでもありません・・・。
全てが自分次第の自学受験は、他の勉強方法よりもサボりに対して強力な自制心を働かせなければいけないんですね。
情報が不足するリスクがある
これは特に危険なリスクです。
学習塾では、塾の威信をかけて大学受験の分析を行い、出題傾向や学校ごとの特性、合否ラインの判断を行っています。
その情報を提供してくれるというのは、大きなメリットがあります。
自学では外部から勝手に情報が入ってくることがありませんから、受験の最新情報を自分で取りに行かなければいけないというリスクがあります。
ゲームの攻略は情報が命ですから、危険度の高いリスクだと言えるでしょう。
ではどうすればいいかというと、模試を受けることや、通信講座を利用することでリスクを下げることが可能です。
通信講座は上手く使うと、コストを抑えながら自学のデメリットの最小化を図ることができます。
実は僕も、Z会の通信講座を学科を絞って使っていました。
やる気が消えてしまいやすい・・・かも
人間は飽きっぽい生き物です。
自学は自分一人で行う勉強方法ですから、環境に変化が乏しいです。このため、他の勉強方法に比べると飽きてしまうリスクが高いです。
塾や家庭教師では、日常生活からの環境の変化を伴うので、自学と比べると飽きにくいでしょう。
それに自分以外の人間が関わるので、刺激を受けやすい環境でもある訳です。
自学ではこのリスクをコントロールすることが肝要です。
勉強仲間や同じ大学を受験するライバルを作る、自習室などの外部で勉強する時間を設けるなど、刺激を受ける環境を作って行きましょう。
以上、自学のメリット、デメリットの解説でした。
メリットとデメリットを把握して、リスクを最小限に減らしましょう。
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